この季節は少しお待たせすることが多くなっています、ご迷惑をおかけしますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

  1. 肺エコーの解説と実習11月16日(木)は、南千里の千里病院で“肺エコー(超音波)”の解説と実習に参加してまいりました。救命救急科の酒井和也先生というお若い先生が、講師をされました。エコー(超音波)は、空気があると解析がかなり困難になります。なので、肺を調べるためには一番合わない検査と思っておりました。しかし機器本体がスマホ程度の大きさになったこともあり、救急や在宅医療の場では、登場する頻度が増えています。POC(ポイントオブケア)超音波検査という概念ができて、臨床にかなり応用されていました。いつもよく行く講演会は、著名な方が講師されており、たいへん勉強になりますが、なかなか新しい概念の話は少ないように思えます。
    今回は、お若い先生から、思わず“新しい概念”を提起されて、たいへん刺激になりました。医療知識は、本当にいろんな所から広くレーダーを張って、いろんなことを吸収していかなければならないと痛感しました。
  2. 当院でのweb講演会11月17日(金)は、当院でwebでの講演会を見せていただきました。東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授が、慢性の“咳”の治療について解説いただきました。
  3. 火災報知器11月18日(土)は、当ビルで消火訓練が行われました。年2回ずつ行われています。今までは、昇降はしご・緩降機・消化器の使用方法などの説明がありました。今回は火災報知器の話でした。始めて火災報知器を押しましたが、かなり固い印象でした。また警報音を解除する方法も教えていただきました。
  4. 日本臨床細胞診学会11月19日(日)は博多で、第56回日本臨床細胞診学会に出席してまいりました。興味深い講演が、三つありました。
     まず国東市民病院の日本医史学会の佐藤裕先生が、細胞診の歴史を講演されました。いわゆる“cell”を名付けたのは、“フックの弾性の法則”で有名なロバートフック(1635-1703)で、日本で“細胞”を名付けたのは、江戸時代後期の宇田川榕庵(1798-1846)とのことでした。面白いことにともに植物の茎の断面の節を、細胞と間違えていたらしいのです。また微生物を始めて顕微鏡で観察したのは、レーベンフック(1632-1723)で画家のフェルメールの時代のことだそうです。
     次に大阪大学医学部消化器外科教授森正樹先生が、マイクロRNAのがん臨床への応用を講演されました。マイクロRNAという遺伝子を診断に用いる方法と、癌幹細胞をも死滅させる治療方法の研究を解説いただきました。
     また、九州大学病院呼吸器科助教の田中謙太郎先生が、“バイオマーカーに基づく非小細胞癌治療戦略”を話されました。最近の肺癌治療方法を選択するのに、その治療が前もって効果が出る可能性が高いのかを調べる“バイオマーカー”の測定が大切になっています。今回その状況を詳細に報告されました。
  5. インフルエンザワクチンインフルエンザワクチンが、11月中旬の時点では在庫切れになっております。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。接種を希望のかたは、事前にご連絡いただいて確認後に、ご来院ください。

    ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹