3月に入り、だいぶインフルエンザの方が減ったように思えます。
代わりにスギ花粉症とこれに伴う咳や喘息が増悪されている患者さまが、増えておられます。
花粉症対策でお困りの方は、ご相談ください。

  1. 2月28日(水)は、気管支喘息の重症の方に使う抗体薬の説明をお聞きしました。このようなバイオ製剤と呼ばれる薬の問題点は、やはり費用です。今回は高額医療費制度での補助のことも、よくお聞きしました。期待の多い薬剤と思いましたが、補助を受けていただいても月に2~4万円がかかります。しかしながら通常の治療でも症状コントロールできない方は、ご相談ください。
  2. 呼吸器疾患の勉強会2月28日(水)は➀のあとに、蛍池の刀根山病院で呼吸器疾患の勉強会がありました。QandA形式の症例発表でした。刀根山病院から慢性壊死性アスペルギルス症と扁平上皮癌、阪大医学部附属病院から梅毒による肺疾患、星ヶ丘医療センターからMTX関連リンパ腫などが報告されました。最後に済生会吹田病院の副院長の長澄人先生が、肺の聴診について講演されました。
  3. 気管支喘息の勉強会3月3日(土)は、大阪市内で気管支喘息の勉強会がありました。まず大阪赤十字病院の森田恭平先生が喘息の総論を講演されました。その後結核予防会大阪病院副院長の松本智成先生が、結核をポイントにする慢性咳について話されました。
  4. 検診治療研究会3月10日(土)は、千里中央で大阪がん検診治療研究会に出席いたしました。大阪国際がんセンター疫学統計部部長の中山富雄先生が肺がん検診について講演されました。中山先生は、大阪国際がんセンターが成人病センターと呼ばれていた頃に、一緒に働かせていただいた医師です。”有効な肺がん検診は何か“という事は、以前より難しい問題です。“単純X線による検診は、日本のガイドラインでは推奨されているものの、わが国以外では単純X線検診の効果は否定されている状況である”とやはり従来の立場を話されていました。また“低線量CT検診も、有効性を示唆する研究結果があるものの、検診に用いるまでは至っていない”とのことでした。現在、AMED(日本医療研究開発機構)による無作為化比較試験の結果待ちで、注目されます。講演内容は “検診で肺がん死亡率を減少させる”などの目的で、あくまでも地方自治体などの行政側から視点であることがポイントであると思います。個人的なレベルでは、ドック受診などで早く肺疾患を見つけることは必要なものと考えます。
  5. 3月10日(土)は、大阪市内でホームページ作成の勉強会に出席いたしました。現在スマホを中心とする情報管理の世界が飛躍的に進化していることを教えていただきました。googleの情報収集能力が想像以上に高度なことに驚嘆し、個人情報が筒抜けていることにびっくりしました。また買い物をするのにレジを通さない“アマゾン・ゴー”がすでに開店しているなど、この分野は加速的に進んでいることを知りました。
  6. 診療待ちの件について3~4月は毎年、スギ・ヒノキのような花粉症、黄砂・PM2.5などが多く飛散して、咳・のどの不快感・くしゃみ・鼻水鼻づまりなどの症状が増えます。できるかぎりマスクなどで吸い込みを予防してください。

    ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹