例年とは異なり、新型コロナ感染者の流行とともに、今冬の診療にウイズコロナを追加して対応すべきと考えて、特別に述べさせていただきます。当院では新型コロナ感染症対応に、特に気をつけて対応しています。アルコール消毒、室内空調のフル稼働、空気清浄機2台作動、窓あけの換気、発熱患者様の院内隔離、スタッフの衛生管理の徹底等です。

しかし、今冬にインフルエンザと新型コロナ感染症が、同時に流行した場合にデジタルに鑑別するのは当院のようなクリニックでは正直難しいと考えております。デジタルにと言うのは検査結果でお示し出来るという意味です。インフルエンザでさえ、通常している鼻腔から綿棒での採取は、飛沫の危険性があり、施行困難です。鼻かみでの検体採取方法が安全との報告もありますが、個人的は怪しいと思っております。鼻水がすぐ出る場合はいいですが、どうしても出ないと(特に真面目なお子さんほど)思い切り鼻をかんでしまうことが予想されます。そうすると飛沫は避けられないでしょう(一部は空気感染することが報告されています)。また当院では、新型コロナ感染症に対するPPEという感染防御服の着用(品不足で入手ができません)や患者さまの動線確保が極めて困難です。かなり熟慮しましたが、当院では新型コロナ感染症のPCRは導入しておりません(抗体のみ施行しています)。医学文献の報告では、インフルエンザは咳から熱の順に発症で、新型コロナ感染症は熱から来やすいと報告されたものがあります。しかし例年のインフルは咳より発熱の方が早くて目立つ症状の印象です。

発熱された場合は、重症化の予兆があればすぐ対応すべきですが、症状がひどくなければ、2者の区別は医学的にはあまり必要ないと考えます。しかし、肺炎等他の感染症否定のために、必要であれば、胸X線や採血など施行いただいています。治療は、抗インフルエンザ薬と解熱剤など対症療法を行って、お休みいただくのが最良と考えます。しかし学校や職場から陰性証明などを、求められるのこともあるかと思います。その場合は、新型コロナ感染症のPCR検査の紹介は、現在比較的スムーズに流れております。

今冬に関しては、上記のような状況のもとで、対応させていただいと考えております。現在、2者を一度に鑑別するキットの開発中と聞きます。また新型コロナウィルス感染症のワクチンも、治験段階で大詰めになっているようです。早く元の状況に回復することを願います。