病院勤務の時には6月は患者様がやや少なくなり始めるころでしたが、昨年の状況を見ますと当院は7月頃から少なくなるようでした。逆に病院では9月から多くなり始めますが、当院では10月からと少し遅れがあるようです。ですので、6月は少しまだ混み合うかと思います。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。
- 5月16日(水)は、大阪市で重症喘息の講演会がありました。私が研修医と院生時代を過ごさせていただいた阪大医学部呼吸器・免疫内科学講座の皆様が主催されたものでした。前半は講師の木田博先生が座長をされて、重症喘息に対する生物学的製剤の実際的な使用をパネリストの先生が話されました。喘息患者さまは日本で800万人おられて、その8%弱が重症とされています。そのうちの2.5%がコントロール不良になっておられます。パネリストとして、助教の平田陽彦先生が生物学的製剤のうちで最近臨床応用されたものが、阪大免疫学の先生方がその基礎研究の点で多くかかわったことを教えていただきました。耳鼻科学講座助教の前田洋平先生が、好酸球性副鼻腔炎の話をしていただきました。喘息患者様での副鼻腔炎はほぼ好酸球性のものであること、好酸球性副鼻腔炎はしっかり手術して、その後の加療によりコントロール可能であることを教えていただきました。後半は教授の熊ノ郷淳先生が座長をされて、帝京大学医学部の呼吸器学教授長瀬洋之先生が好酸球性喘息という一番多い喘息(喘息の55%)のあたらしい治療戦略を説明されました。IL-5およびIL-5Rをターゲットとした生物学的製剤の話を中心にご講演されました。講演後に熊ノ郷淳先生と長瀬洋之先生が、この喘息に対しての意見交換をされましたが、非常に興味深いものでした。
- 5月30日(水)は、南千里の済生会千里病院で、呼吸器の画像カンファレンス(会議)がありました。ウィルス肺炎や多発筋炎の間質性肺炎などを供覧いただきました。
- 6月2日(土)は、千里中央で第6回咳嗽について考える会が開催されました。まず高槻赤十字病院呼吸器内科部長の北英夫先生が「最近経験した咳嗽診療におけるピットフォール」との題名で講演されました。咳で来院された患者様のほぼすべての方に胸部レ線撮影されるそうですが、約1/3に異常があったとのことでした。また、咳について、改めて整理できる良い機会となりました。
- 6月9日(土)は、関節リウマチについての講演会が大阪市内でありました。市立東大阪医療センター免疫内科部長の宇田裕史先生が薬物治療の総論を説明いただきました。阪大病院での研修医時代の同期の医師なので、懐かしく思いました。大阪医科大学リウマチ膠原病内科診療准教授の武内徹先生が、リウマチと肺疾患について講演されました。リウマチの方の肺疾患は多岐に及びますので、たいへん参考になりました。
ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹