10月初旬は患者様も少なくなっておりましたが、中旬になり急に増えておられます。少々お待ちいただく時間が長くなっております。特に土曜日は混み合うことも多く見られます。ご多忙のかたは、土曜日以外を選んでご来院いただければと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。

  1. 9月21日(金)は、院内でweb講演をしていただきました。肺気腫を合併した喘息の方の診療について、東北大学医学部呼吸器内科准教授杉浦久敏先生が話をされました。呼気一酸化窒素NO測定も重要なポイントですが、この場合には喘息と異なりやや少ない値でも診断基準となることを理解しました。
  2. 9月26日(水)は、南千里の済生会千里病院で胸部画像カンファレンス(会議)に出席いたしました。珪肺や悪性リンパ腫の症例の胸部画像が供覧されて、議論がなされました。
  3. 10月6日(土)は、大阪市内で咳の講演会がありました。
     名古屋市立大学医学部教授の新実彰男先生が“咳の診断と治療”を話されました。まずステロイド吸入薬に抵抗性の咳として、アトピー咳のような咳感受性亢進の咳について詳細に説明いただきました。治療としては抗メディエーター薬やある種の気管支拡張薬が効果あるとお聞きしました。私もこれらをご処方させていただいておりましたが、学術的な有用性も再度確認できました。次に逆流性食道炎による咳の機序が、2つあることを述べられました。一つは昼間の空咳で、会話や前屈で誘発される場合は、迷走神経反射によるものであること。二つ目は夜に多くて、ほかの胸やけなども症状を伴うものは、下部食道括約筋の緩みや食道裂孔ヘルニアなどがあり、誤嚥の直接症状であることを述べられました。また難治性咳に従来の咳過敏性症候群CHS (cough hypersensitivity syndrome)と、さらにUCC (unexplained chronic cough)という概念があることを教えていただきました(言葉通りに説明できない慢性咳でしょうか)。CHSには新実先生はプレガバリンを使用されているとのことでした。最後に新しい鎮咳剤として、P2X3受容体拮抗薬というが治験されているとのことでした。本当に期待したいものです。新実先生の話は華美な話はないものの、しかしながら実直な話で本当に秀逸な内容でした。私自身も医学的にパワーアップしたように感じました。
     次に大阪はびきの医療センターアレルギー内科副部長松野治先生が、百日咳について話されました。百日咳は、夏に特に多い報告と春から秋とやや長い時期に多いとの報告があり、一定ではありませんでした。また診断方法で、小児科でよく咽頭拭いの方法で診断されることが多く、逆に小児以外は(当院でもそうですが)採血で診断確定されることが多いとのことで、(採取時期の問題だけではなく)それらの陽性率が年代によって違うのかなと思いました。一つ霞が取れたような知見でした。
  4. お知らせ当院では看護師さんを募集しております。興味のある方は是非お教えください。なにとぞよろしくお願いいたします。

    ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹