6月に入り、かなり暑くなっております。通常は患者さまの来院も少なくなる季節ですが、今年は例年になくご来院が多くなっています。発熱などで廊下にお待ちになる方もおられますが、かなり暑い状態になってしまっております。たいへん申し訳ありませんが、ビルの構造的な問題なので解決が困難です。冷房機を色々調べておりますが、廊下内の室温を下げるには、冷房した空気を廊下内に、暖気を外に逃す機構がないと効果がしっかり得られないようです。後者に対する方法がなかなか見つかりません。今の所ファンで対応する状況になっています。発熱などでご来院の方は、当院で手続きを済まして頂きましたら、車や他施設でお待ちください。ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願い致します。

  1. 5月27日(火)は、webでCOPD治療の説明会を受けました。トリプル治療の吸入薬の話でしたが、この治療が喘息の方にも適応できるようになるとお聞きしました。喘息の方に有望な手段になると期待します。

    COPD治療説明会

  2. 6月6日(金)は、webで小細胞肺癌SCLCの分子標的薬の治療について視聴しました。SCLCは肺癌のうち10%程度を占めます。今までは抗癌剤にかなり効果を示しますが、逆に再発も早く難治性の肺癌でした。日成病院の二宮隆介先生が、タルラマブという新しい治療薬についての説明とその治療経験を講演されました。通常のがん細胞の免疫を介した治療は、MHCクラスI抗原提示機構を介して治療する方法があります。しかしMHCクラス高原をSCLCがあまり発現していないために、従来の治療では効果ありません。通常細胞内(つまり細胞表面には発現していない)に発現しているDLL3という蛋白が、SCLCの細胞表面に多く発現されているために、タルラマブはこれを標的とした免疫を介した治療方法です。実は私も大学院での仕事はこのSCLCの細胞表面の蛋白についてのものでした。SCLCの細胞表面にCD9という蛋白があまり発現しないこと、この低発現が細胞運動性を高めて浸潤や転移を進ませることを研究しておりました。

    小細胞肺癌SCLCの分子標的薬の治療について
    小細胞肺癌SCLCの分子標的薬の治療について

  3. 6月中旬からカルテ記載を音声入力からAIによるカルテ記載を試みています。手応えとしては、私には向いていないような印象です。電子カルテのベンダー様とAIの成長を模索しています。

    AIによるカルテ記載

ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹