10月にはいり、過ごしやすい季節に入っております。比較的患者様も安定されている方が多いように感じます。
- 9月10日(火)は、院内でweb講演をしていただきました。国立国際医療研究センター病院呼吸器内科診療科長放生雅章先生が、「喘息と肺気腫合併の患者さまの新たな治療選択肢」というタイトルで講演されました。喘息患者さまで肺気腫合併されている頻度と逆に肺気腫の患者さまで喘息を合併されている頻度はともに、25-50%と高い状況です。これら患者さまの診断と治療について説明されました。
- 9月21日(土)は、内科学会近畿地方会に出席いたしました。興味深い演題を中心に聴講しましたが、若い先生方が一生懸命発表されているのを見て、自分も負けないようと年甲斐もなく思った次第です。
- 9月28日(土)は、大阪市内でアレルギーと咳を主題にした講演会に出席いたしました。
まず大阪はびきの医療センター小児科の深澤洋平先生が、緩徐経口免疫療法(SOIT) 中のアナフィラキシーについて説明されました。卵・牛乳・小麦アレルギー方に少量ずつ食事を摂って、アレルギー反応を抑えるSOITという治療があります。当院ではスギとダニアレルギーでの舌下免疫療法は実施させていただいておりますが、SOITは施行しておりません。治療中にアナフィラキシーが出た際の対応について詳細に述べていただきました。舌下免疫療法の際にも起こり得る可能性があるので、参考になりました。次に同センターの皮膚科白井陽彦先生が、薬疹について講演されました。当院でも、適切に処方したと思っても、どうしても一定数のかたには発症してしまいます。薬疹の出かたで、光線過敏症や固定薬疹が出るタイプなどについて説明を受けました。また薬剤性過敏症候群DIHSといった概念も教えていただきました。
最後の私が楽しみにしておりました、この「進歩した喘息と咳の治療」というタイトルで、札幌で開業されている田中裕士先生の話をお聞きしました。この先生は、呼吸器の病気のなかでも『咳』に特化した診療をされています。咳を呈さない呼吸器の病気(肺腫瘍や間質性肺炎等)の方は、ほかに施設に紹介されるそうです。それだけにガイドライン以外の咳の考え方を述べられました。後鼻漏による咳についての内容が、特に興味深かったです。
10月からインフルエンザワクチン接種が開始されています。今年はかなり流行が早いようです。早めの接種をお勧めします。
ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹