新型コロナウィルス感染症
厚労省のHPを参考に今回新型コロナウィルスについて記載いたしました。厚労省HPでは膨大な量の文章ですので、私の知見も入れてより簡潔に作成いたしました。
新型コロナウイルス感染症については、下記のような特徴があるとされています。
感染方法
一般的な状況における感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染でありますが、部屋の中など近距離で多くの人と会話すると咳やくしゃみ等の症状がなくても感染するとされています。また、発症前や症状のないからの感染の可能性も指摘されています。一方、人と人との距離を確保することにより、大幅に感染リスクが下がるとされています。
集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、
特に ①密閉された空間、②密集された場所、③ 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる) という3つの条件(以下「三つの密」という。)のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
罹患しても約8割は軽症で経過し、また、感染者の8割は人への感染はないと報告されています。しかし感染力を調べた台湾の研究では、新型コロナウイルス感染症は、発症前から発症直後の時期に最も感染力が高く、発症6日目以降は感染力が大きく低下することが示されています。
潜伏期間
世界保健機関(World Health Organization: WHO)によると、現時点において潜伏期間は1-14 日(一般的には約5~6日)とされています。 また日本で発症日から診断日までの平均期間は9.0日でした。
症状および経過
新型コロナウイルスに感染すると、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いことが報告されています。
新型コロナウイルス感染症の致死率(日本で2.5%)及び肺炎の割合は、季節性インフルエンザに比べて、相当程度高いと考えられています。また、特に、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いことも報告されています。
診断方法
現時点では、ウィルス自体の存在を調べる抗原検査とPCR検査、ウィルスに対する抗体検査があります。比較的正確な検査はPCR検査ですが、現在は大学病院等や保健所委託でないと検査できません。PCR検査より精度は劣りますが、20年5月13日に、迅速診断用の抗原検査キットが承認されました。これらは今感染がおこっているかを調べる検査になります。抗体検査に関しては、当HPの 新型コロナウィルス感染症の抗体検査 をご覧ください。
治療方法
現時点では、対症療法が中心ですが、20年5月7日にレムデシビルが、 重症患者に対する治療薬として特例承認されました。これ以外のいくつかの既存の候補薬(アビガンも含めて)についても、患者の観察研究等が進められています。なお、現時点ではワクチンも同様に開発が進められています。
大阪府の現状と予測
大阪府吉村知事の功績もあり、大阪府の感染症対策は比較的進んでいる感もあります。しかし20年5月中旬の政府からの抗体検査の発表によりますと大阪府の抗体保有率はなんと0.17%に過ぎないことが報告されました。抗体検査の精度は問題がないとは言えませんが、それでも1%以下であることが強く予想されます。ほか海外の都市では10~20%が多いことを考えると、感染予防に徹している日本人の態度に頭が下がります。しかし逆にまだまだ感染して抗体保有がないことを考慮しますと、今後第2-3波が起こることは、想像に難くありません。
個人的には想像ではありますが、あまり新型コロナウィルスの病的な侵襲性はあまり強くないと考えています。事実8割がたの人は無症状や軽症です。しかし ①現在は抗体がなく感染力が強いことと ②ほかの感染(例えば季節性インフルエンザ)より、強い過剰免疫反応とされるサイトカインストームを起こしやすいことが、死亡者数を多くしている原因であると考えます。
つまり新型コロナウィルスが与える人体への侵襲性よりも、強い過剰免疫反応とされるサイトカインストームをよく起こしてしまうことが、この新型コロナウィルスの怖い点だと思います。呼吸器の病気では急性進行性の間質性肺炎は重篤な病気であることが知られていますが、サイトカインストームをおこすことがあり、よく似ているなと思います。
最後に
経済的にも被害が多くでている状況ですが、今後もこのウィルスと共存という形で過ごしていくことになるかと思いますが、新型コロナウィルス用の『ワクチン』『抗ウィルス剤』の開発や使用が可能になることを願うばかりです。本当に気をつけてお過ごしください。