今回毎年楽しみにしている日本呼吸器学会総会をwebにて4-5月中は視聴しました。長期間にwebで視聴できたので、助かりました。勉強になった講演を、私の備忘録としても記載します。
- 日本結核・非結核性抗酸菌症学会と共同企画で『結核・非結核性抗酸菌症の現状と最新知見』のセッションが、ありました。「肺既存構造から見た肺結核の画像診断」というテーマで、福井大学教授伊藤春海先生が講演されました。日本では、この先生と関西労災病院放射線科部長の上甲剛先生が胸部画像の読影では、トップで並んでいると考えます。肺小葉と気管支・細気管支の構造から、肺結核のCTの特徴像を詳細に説明いただきました。
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1とは別の教育講演のセッションで、『肺非結核性抗酸菌症の現状』のテーマで慶應大学感染症学の長谷川直樹先生が、最新の状況を説明いただきました。今まで効果を期待されていたアミカシンの点滴とアジスロマイシン内服の保険適応について教えていただきました。
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同じく教育講演のセッションから、『COPD(肺気腫)の身体活動性向上に向けての治療戦略はどこまで進んだか』のテーマで、東北大学産業医学分野教授の黒澤一先生が、説明されました。COPDよる慢性呼吸不全に対する対策を教えていただきました。
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同じく教育講演のセッションから、『加熱式タバコ・電子タバコの肺障害』のタイトルで、弘前大学医学部呼吸器内科教授田坂定智先生が講演されました。現在WHOでは加熱式タバコは、健康リスク軽減につながらず、規制を呼びかけています。日本呼吸器学会も科学的な判断から、同調しております。また加熱式および電子タバコでの急性肺障害はEVALIと言われて、死亡例も少なくありません。健康上のことをお考えになって、紙巻きタバコから加熱式・電子タバコに移行された方も多く見られますが、できましたらおやめ頂きたいと思います。
来年は、ぜひ会場でのライブで聴講したいものです。楽しみにしたいと思います。
ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹