6月に入り、少し患者様の来院が落ち着いてきたように思えます(しかし、まだ月と土曜日はかなりお待たせしておりますが、本当に申し訳ありません)。

  1. 5月クリニック通信で述べた、毎年恒例の日本呼吸器学会の私のベスト講義ですが、自分の備忘録のためにも内容をもう少し詳細に記載いたします。
    『成人に対する肺炎球菌ワクチンの使い分け』のタイトルで、琉球大学呼吸器内科講座山本和子先生が、講演されました。24年3月当HPのお知らせの通りに、3月をもって肺炎球菌ワクチンの公費補助が縮小されて、24年4月からは新規65歳の方のみとなっています(年度でなく、実際の年齢65歳誕生日になってからです)。肺炎球菌が原因の肺炎はおよそ20−30%ですが、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)という重症化する場合もある警戒すべき菌株です。小児の鼻腔に保菌することもあり、小児と高齢者は特に注意すべきです。今までは13価と23価の2つのワクチンでしたが、昨年より15価肺炎球菌結合型ワクチン(バクニュバンス®︎)が新たに使用できるようになっています。しかし一方、肺炎球菌にも血清型で分ける多数の方が存在して、現行ワクチンでも網羅できない血清型のものが増えてきているとの指摘がありました。ではワクチンの使用がどうすれば良いか?は、基本的には13あるいは15価のワクチンを接種してから、23価ワクチン(公費負担であったもの)を打つのが推薦されるものとのことでした。今までの考えとほぼ同様ですが、基礎疾患(糖尿病、心不全、慢性肺疾患)を持つ方と新規65歳の方など、個別に考える必要もあり、注意が必要です。もしお悩みでしたら、ご相談ください。

    肺炎球菌ワクチン

  2. 5月29日は、webで『生活習慣病重症化対策の評価の理解と押さえておきたいポイント』のタイトルで、業者の方の講演がありました。6月から高血圧・高脂血症・糖尿病の方は、生活習慣病管理計画書を作成して説明させていただき、同意の署名を受けるように、厚労省から指示を受けました。準備をして、この時期に望んでいますが、ご不便をおかけする可能性がありますが、よろしくお願いします。

  3. 6月に入っても、診療報酬改定作業が継続して、なかなか多忙でした。当院は、大阪モノレール小路駅から1分の場所ですので、数メートルの位置に線路があります。夜に帰宅するときに、おそらく点検用の小さい電車を開院以来始めて見ました。月明かりに照らされて、少し幻想的に見えました。

    ミニ電車

  4. 6月18日(水)は、『小児気管支喘息の現状とガイドライン改定にみる新展開』のタイトルで、東大阪医療センター小児科副部長の土井政明先生が講演されました。webで視聴しましたが、小児喘息治療の整理になりました。

    0618

  5. ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹