ワクチン接種(予防接種)について
当院では以下のワクチン接種を随時行っております。
詳細についてはお電話にてお問い合わせください。
TEL 06-6151-2107
当院で接種可能なワクチン
- 高齢者肺炎球菌ワクチン 【詳しくはこちら】
- インフルエンザワクチン 【詳しくはこちら】
- 日本脳炎第2期(9歳)
- DT(ジフテリア・破傷風)(11-12歳)
高齢者肺炎球菌ワクチンについて
日本人の死亡原因の3位にあげられるのが肺炎であり、肺炎で亡くなる方の95%以上が65歳以上の方です。特に高齢者の方や病気などで抵抗力が弱まった方は感染しやすくなり、重症化する場合もあります。肺炎になる原因は、細菌やウイルスなどの感染がほとんどで、その中で最も多いのが肺炎球菌の感染です。
わたしも病院勤務の時には、この肺炎で重症化されている患者様をかなり見てまいりました。肺にとどまらずに、血液に乗って全身に菌がまわることがあることも特徴の一つとされています。
ただこの菌は身近におり、ヒト(特に小児の上気道)に定着しやすいとされています。
現在高齢者に使用されているワクチンは、おもに23価肺炎球菌ワクチンです。1983年に米国で、日本では1988年に認可されています。しかし米国では接種率が約60%ですが、日本ではまだ接種率が数%と低いのが現状です。
肺炎球菌ワクチン接種後5-8年間は、有効な抗体価が持続することが知られています。また、海外ではこのワクチンで肺炎による入院・死亡率を減少させるとの報告があります。さらにインフルエンザワクチン接種との併用効果があると考えられています。
副作用は、接種後に接種部位の腫れと赤味や倦怠感と節々(ふしぶし)にすこし痛みがでるなどがあります。ほとんどは数日で改善されます。
これらのことを考えわせると、65歳以上の高齢者、特に慢性の呼吸器疾患など持病のあるかたは、有用性が高いと思われます。2014年からは下記リンク、豊中市 予防接種のお知らせでもあるように、年齢により公的な補助を受けられることもできるようになりました。
豊中市 高齢者の肺炎球菌予防接種のお知らせ
しかし、残念ながら数年後にしか補助をお受けになれない方やお受けになれない方もおられます。できれば、肺炎予防をお考えになられている方は早めの接種をお勧めします。
高齢者肺炎球菌ワクチン 費用について
自費 | 7,000円 |
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豊中市公費補助 | 2,000円 |
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザについて
季節性インフルエンザは、毎年冬から春先にかけて流行してほとんど治癒する病気です。しかし肺炎や気管支炎のほか、脳症・心筋炎などといった合併症を引き起こすと重症になる可能性もあります。特に高齢者の方々にとっては、致命的になることがあります。
図1で見られるように、インフルエンザにかかるのは小児の方に多いのですが、死亡率は高齢者になればなるほど急増されています。
インフルエンザの感染の拡大と経過
図2でみられるような感染の方法は、飛沫感染といわれる“しぶき感染”です。また潜伏期が1-2日とかなり短いのも特徴と思われます。一般的には、健常人では10日間もあれば治癒される病気です。
インフルエンザの予防と治療
予防のポイントとされる“人混みにでない”“マスクする”“手洗いの励行”などがあります。しかしこれだけでは不十分と言わざるを得なく、やはり”インフルエンザワクチン接種“が大切とされます。
100%の発症予防は確かに不可能ですが、発症しても重症化を抑えることが期待できます。特に高齢者の方は、インフルエンザに罹った後の肺炎に苦しむ方がおらます。肺炎球菌ワクチン接種と併用すると肺炎での入院率が低下するとの報告があります。
当院でもインフルエンザワクチン接種を開始しております。手に入る一番細い針で施行させていただきます。以上、今年はできうる限りインフルエンザで重症にならないために、ワクチンの接種をお勧めします。
尚、副作用がでないように、発熱されている方や鶏のアレルギーをお持ちの方は控えていただいたほうがよいかと思います。
ワクチン接種間隔の制限が緩和されました(2020年10月)
今年(2020年秋)はインフルエンザワクチン接種が不足する可能性があることを、マスコミなどから報道されています。今回2020年10月1日から「定期接種実施要領」が一部改正されて、異なるワクチン接種間隔の制限が緩和されました。図に従って説明いたします。まずは多くのワクチンが不活化ワクチンです。一般によく射たれる2−4種混合ワクチンや、当院でよく使用するインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなども相当します。注射生ワクチンとして当院で扱っているのは、風疹麻疹混合ワクチンのみで小数です。経口生ワクチンはヒトロタウィルスワクチンですが、当院では扱っていません。結論的には、今までは異なるワクチンの接種間隔の制限がなくなり、注射生ワクチン同士のみが27日以上あけるのみとなったことです。医師が認めた場合は、同時接種も可能です。
日本呼吸器学会総会(2020年9月)でも、日本臨床内科学会インフルエンザ研究会の池松秀之先生から、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種を推奨する報告がありました。
今後は従来からあるワクチンを接種することも大事ですが、いち早く新型コロナ感染症に対するワクチン接種ができることを心から願います。