今年の10月は、大きな台風が日本を直撃しております。大阪はあまり大きな被害は少ないようですが、今後も気をつけてお過ごしください。

  1. 10月5日(土)は、千里中央で『咳について考える会』がありました。私は『屋外大気汚染と喘息—越境大気汚染はどのように影響しているか』のタイトルの演題を楽しみに聴講してまいりました。
    谷口病院内科副院長の渡部仁成先生が、黄砂やPM2.5、NO2、SO2などが、喘息のどのように影響するかを詳細に話されました。やはりこのような屋外大気汚染は、喘息増悪のリスクを有意に上昇させます。北京・天津などの大都市から発生した大気汚染物質は、日本に入ってくるときは1/10程度になっているそうです。しかし中国大陸からのものは、越境した多種の大気汚染物質を混合して吸うことになるので、プライミング効果と言って、(日本の大気汚染物質を単独で吸うより)より増悪してしまうことになるそうです。
  2. 10月10日(木)は、箕面市立病院副院長の金子晃先生がわざわざご訪問いただきました。
    金子先生は、副院長とともに消化器内科主任部長も併任されています。病診連携することを再確認させていただきました。
  3. 10月19日は、刀根山病院さんが半年に一度の呼吸器の勉強会を主催されています。これに出席いたしました。次の計4題の講演がなされました。
    一題目は木田博呼吸器内科部長が『COPDに潜む喘息、ACO』、二題目は好村研二呼吸器集中治療科医長が『酸素療法の理解と最近のデバイス』、三題目は林明男呼吸器外科医長が『当院における肺癌に対する胸腔鏡手術』、最後に森雅秀呼吸器腫瘍内科部長が『薬剤耐性対策としての抗菌薬選択』を講演されました。
    三題目の林明男呼吸器外科医長は、手術中の動画を作成していただいており、わかりやすく解説いただきました。また最後の森雅秀呼吸器腫瘍内科部長は、第3世代セフェム抗生剤使用についての注意喚起をしていただきました。呼吸器領域では、以前からこの種の使用に関しては疑問視のある抗生剤との評価でしたが、よく理解できました。

10月下旬から、インフルエンザワクチン接種の方が増えております。流行のまえの接種をお勧めします。

ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹