年始明けから継続的に感染症(風邪、インフルエンザA型、COVID19)などで、発熱の方が多く見られています。

  1. 1月12日(金)は、間質性肺炎の講演会をwebで視聴しました。当院に咳で来院される方で、悪性腫瘍と感染症とこの間質性肺炎を見逃さないことが重要だと常々思っております。これらを除外するのがやはり困難なことも多く、単に咳診療だけであれば専門性はさほど要求されないかと思います。大阪大学大学院医学系の呼吸器部門の3科(内科外科放射線科)の先生方が中心となって、演題は3題ありました。一題目は『間質性肺異常影(ILA)と間質性肺炎』のタイトルで、同院放射線医学助教の秦明典先生が説明されました。ILAは間質性肺炎を見つける兆候(証拠?)みたいなものです。これは既知の重要所見でしたが、定義されると確かに便利なツールになると思いました。二題目は外科から助教の木村亨先生が『呼吸器外科の立場から見た間質性肺炎』のタイトルで、主に肺術後の間質性肺炎が起こる急性増悪について話されました。これは欧米では少なく、日本及びアジア人に多いことを教えていただきました。三題目は、公立陶生病院副院長の近藤康博先生が『間質性肺炎とAI診断』のタイトルで、講演されました。しかし内容は多岐に渡り、今回私にとってかなりためになりました。ILA→IPF(特発性肺線維症)の診断→PPF(進行性肺線維症)の概念→特発生間質性肺炎(難病指定)の診断の変更(iPPFEが含まれた)→慢性好酸球性肺炎(線維化伴う)とIPFが診断としてかなり見分けにくいこと→最後にAIを活用した画像解析を説明いただきました。

    Interstitial Lung Abnormality(ILA)
    呼吸器外科領域からみる間質性肺炎
    間質性肺炎の画像AI開発

  2. 1月13日(土)は、webで『基礎と臨床から考えるクリニカルレミッション』とのタイトルで、大阪赤十字病院呼吸器内科医長森田恭平先生が講演されました。クリニカルレミッションは、日本語訳では臨床的寛解ですが詳細な定義を教えていただきました。また喘息加療においてAIT(アレルギー免疫療法)についても解説されて、なぜ効果が生じるのかをわかりやすく説明いただきました。

    ResponderとClinical Remission

  3. 1月17日(水)は、webにて「どうする長引く咳」のテーマでセミナーが2題講演されました。1題目は大阪医科薬科大学呼吸器内科助教の中村敬彦先生が『喘息・咳喘息』を、2題目は関西医科大学香里病院呼吸器腫瘍内科教授の延山誠一先生が『GERD咳嗽・AfterCOVID19』を講演されました。後者の講演の中、GERD咳嗽で、食道のPhインピーダンスを測定しての咳へのアプローチは大変興味深かったです。

    食堂Ph/インピーダンスモニタリング

  4. 1月20日(土)は、呼吸器学会地方会が開催されました。当日診療日なので、診療後すぐにwebで視聴いたしました。多くの演題があり、活気のある大会でした。

    入院後経過

  5. ふなこし呼吸器内科 院長 船越俊幹